BOOTS LIFE

ちょっとした裏技

お客様からのお問合せで、

「片足はぴたっりだけど、もう片方の足が痛いかな」
「片足の、この部分だけ当たって痛い」

など、たまに聞きます。

両足なら「サイズ違い」や「甲高」かな、となりますが、 そもそも、足の大きさは左右対称ではありません。

また、人間の皮膚が一人一人違うように動物の皮を鞣した革も、1枚1枚異なります。『個体差』による密度や部位による厚さも違いますし、 同じ鞣し方でも、『個体差』や気候等などでも変わってきます。

皆さんは、ブーツと足のフィット感を高めるために、ソックスだったりインソールだったりと 色々と工夫されていると思います。

ソックスで微妙な隙間を埋めてフィット感を調節する場合は、きつめの時は薄手のものを、 ゆるめの時はスポーツソックスなどの厚手のものを選ぶなど。

インソールの場合、きつめの時は、純正のカップインソールを抜き取って市販の薄いインソールに交換。ゆるめの時は、純正のカップインソールの上にもう一枚、市販のインソールを入れてダブルインソール仕様にしたりなど、、、これらは試したことがあったり、聞いたことのある方法で、裏技とは言えませんね。

そこで今回は、「ちょっとした裏技」を紹介します。

 

紐の結び方で調節

紐の結び方

レースアップブーツは紐の結び方でフィット感を調節することができます。

紐の結び方はハトメ(アイレット)の上から通す「オーバーラップ」と ハトメ(アイレット)の下から通す「アンダーラップ」が一般的です。
「オーバーラップ」は、ハトメの上から紐が通っています。紐が緩み難い通し方です。(SWLブーツの納品時の通し方です。チェックしてみてください。)
「アンダーラップ」は、ハトメの下から上に紐を通します。紐がゆるめ易い通し方になります。

SWLのブーツは、ファスナーで脱ぎ履きが出来るので、 この紐が緩みやすいとか緩み難いとかはあまり関係はありません。 もし、オーバーラップだとしっくりこないなと感じる場合は、 アンダーラップに通し直してください。 アンダーラップのほうが、相性が良いかもしれません。

また、ここからはさらに裏技的なもので、

紐の結び方

下2~4段くらいは、オーバーラップのままで、 上段はアンダーラップにミックスさせる裏技もあります。
逆に、下2~4段くらいをアンダーラップにして上段はオーバーラップにしてみたり。甲の高低、横幅など、足の形状は十人十色です。 このミックスした紐の通し方でフィット感は微調整できます。

納品時はオーバーラップですが、なんとなくしっくりこない場合はアンダーラップも試してみる。 応用として、オーバーラップとアンダーラップをミックスさせる裏技も試してみる。また、結び方によってブーツの表情が違ってくるので、好みに合わせてチェンジするのもお薦めです。

オーバーラップはブーツらしい表情のワイルドな雰囲気に、アンダーラップはすっきりした見え方になります。また、足首がしっかりとホールドされて履き口のパットが窮屈に感じる時は、 一番上のハトメまで紐を通さず、2番目や3番目で結んでみて下さい。 圧迫感は無くなります。

袋ベロ

袋ベロ

履口のトップラインと一緒に縫製をして、埃やゴミの侵入などを防ぐ役割があります。靴の手入れをすると、ここに埃やゴミがたまっているので、役割が良く分かります。(適度に靴紐を解いてブラッシングをして下さい。)

ブーツが新品の時は、まだ折り込みがあまく、足に馴染んでいないので「当たる」感覚があります。この「袋ベロ」が馴染むことで履き心地がより一層良くなります。

私が新しいブーツを履く時は、折り込み箇所にだけオイルを塗り込んで柔らかくして、早く馴染むようにします。

「袋ベロ」がブーツオーナーの足に馴染んで甲にあった時が、履き心地が変わるポイントです。

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