履き込みレポート

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8593オイルドレザープレーンブーツ

経年変化の楽しみを伝えたい。そんな単純な思いからこの企画はスタートした。ただ、6月のスタートはショップスタッフTにとってはあまり嬉しい時期ではなかった。通年Bootsを愛用してはいるが、さすがにこの時期はサンダルに浮気したくなる日もある。今までの経験だと、愛用して3~4ヶ月で、シワやキズが刻まれ始める。秋に、少しでも変化を伝えられれば。強引だったが企画はスタートした。

経年変化を楽しむ為に最も重要になる「履き心地」のファーストタッチは、革は厚さの割にしっとりと柔らかい風合いで履き始めからストレスなく問題なし。オイルドレザーは文字通り、通常より多くの油分が加えられてなめされている革で、油分の多さゆえ撥水性に富み、革の厚さの割りにしっとり柔らかい。また、木型は日本人の足に合ったEワイズ、ファスナーも装備され着脱も容易。ファーストタッチから不安はなし。

新品のブーツは革が馴染むまで痛くて当たり前。我慢我慢。そんな経験をした方も多いと思う。ただ、我慢してまで履きたくないという思いが強くなると自然と下駄箱の中での待機が多くなる。経年変化を楽しんで長年愛用する為に一番大事なのは「履き心地」。履かないと当然、育ちません。スタートから3ヶ月のメンテナンスは、オイルドレザーは油分が元もと多く含まれているので、ブラッシングと、シュークリーナーで汚れ落とし程度。

履き始めから3ヶ月が経った8月。ミンクオイルではじめて油分を補給。ミンクオイルは革に油分を補給して皮革の寿命を延ばす上で重要。履き始めから4ヶ月経った、9月。メンテナンスは、ブラッシングで汚れ落としと、ミンクオイル(液状)で軽く油分の補給程度。これくらいの時期からシワが刻まれてきた。普段は接客業のオーナーは膝をついてしゃがみこむ姿勢も多く、トゥ(つま先)周辺に深いシワも出来はじめ、同時に先端も擦れてきた。オーナーの生活習慣に合わせてシワやキズの風格が出始めた。シワやキズにミンクオイルを重点的に塗り込む事で風合は良くなり、より深みも増してきた。

履き始めから半年経った、12月。革紐でカスタムを実行。手軽に出来るカスタムだが、見栄えは思った以上に変化。忘年会、パーティーなどが多いこの時期、それを見越したオーナーのちょっとしたドレスアップの遊び心が伺える。メンテナンスは、レザークリスタルを使用。石油などの混合物が一切入っていない天然の最高級潤性クリームだ。光沢感と潤いが実感でき、アッパーのドレスアップも成功。

このころから、お気に入りのレザークリスタルを使用してのメンテナンスが週一ペースと頻繁になった。見違えるような輝きと深みのあるシワ感がより一層593に高級感を与えてくれた。

履き始めから10ヶ月経った、4月突入。さすがにずっとレザークリスタルで念入りにケアしてきた甲斐もあり、ツヤ感は健在。自然でさりげない深みのあるツヤ感とシワ感がより一層593に貫禄が出てきた。

最終月
オーナーは、1年かけてやってきたメンテナンスを1ヶ月サイクルでの実行を試みる。前半はミンクオイルの塗りこみ、素早く馴染むブーツオイル、後半はツヤ感を与えてくれたレザークリスタルを塗り込み。1年の成果としては、本来の深みある色味が出てトゥのシワ感含めてオーナーにとって理想の仕上がりに。ショップスタッフが、新しいブーツに足を入れた瞬間、ブーツオーナーになり、1年間で、無二の存在となるブーツを育て上げました。

 ブーツオーナーになる喜び。ブーツは履く人間の生き方や趣味が素直に反映されます。 もちろん、メンテナンスに正解はありません。経年変化に完成もありません。 経年変化を楽しむ。がんばるのではなく、楽しんでください。このレポートは、そんな楽しみの少しでも参考になれば幸いです。