履き込みレポート

8922オイルドレザーオックスフォード

 経年変化の楽しみを伝えたい。そんな単純な思いからスタートした企画は、おかげさまで第二弾。4インチのワークブーツは日本の四季折々の風土に適しているので季節を問わず履きこなしていただきたい。毎月変化する革の様子と合わせて、コーディネイトも参考にしていただければ幸いです。

品番OB-8958、オイルドレザークラッシックオックスフォードの色目はブラウン。

品番OB-8922、オイルドレザーオックスフォードの色目はブラック。オイルドレザーのブラックは、経年変化レポートで初登場の色目。ブラックでなかなか味が出ない、なんて事にならないよう、ブーツオーナーが見事な味を出してくれることに期待。

履き始めから2ヶ月が経った、11月。ブラックという事もあり、なかなか変化が出づらいが、先月はトゥの部分に艶出しワックスを塗り、光沢のあるなしのメリハリをつけてみる。

履き始めから4ヶ月が経った、1月。アッパーのシワがとても自然な雰囲気に。メンテナンスは、つま先の擦れによる色落ちが気になったので、色つきの乳化性クリームを手で塗り込む。シワ感を潰さないように、手で優しく塗ってあげると更に綺麗な味が出たようだ。

履き始めから5ヶ月が経った、2月。ワークブーツ本来の働くための靴。としての用途(笑)原宿直営業店リニューアルオープンの為、改装準備中の作業でフルに着用。結果、過去に例を見ないスピードでのエイジング。ペンキが付いたり、あとは軽作業で擦れた部分の絶妙な味。メンテナンスは、作業中に付着した埃をブラッシングで掃う程度。先月までの丁寧な手入れのおかげで汚れの浸透はしっかり防げているようだ。

履き始めから半年が経った、3月。先月はショップリニューアルに伴う作業でガッツリ変化させた事で革の張りが一気に変わり、今回は艶出しに専念。しかもつま先だけ。革の毛穴が詰まった為か、ついにオーナーがイメージする光沢に。

 

履き始めから7ヶ月が経った、4月。ハトメ打ち換えカスタム実行。トウ部分に集中して艶出しワックスをガンガン塗りこみ、磨くを継続。丁寧に履いているせいかソールはまだあまり減っていないので、張替えカスタムはもう少し辛抱。だが、カスタム好きのオーナーは別の箇所に注視。純正の丸ハトメを全てはずし、一回り大きい六角型ハトメを打ち込みカスタム。おかげで武骨さがさらに際立つ。ちょとしたカスタムだが、オーナーのブーツへの思い入れもさらに深まったようだ。

履き始めから9ヶ月が経った、6月。またもハードワーク(笑)今月も履き込みに履き込む。メンテナンスはブラッシングもまめに。しかし、店内改装依頼のハードワーク(笑)。知人のライブで大暴れ。色んな人にぶつかり、踏まれ、これまた踏まれ。。激しいエイジング。結果、アッパー以外の箇所にも大きな変化が。それは、コバ(押縁)。コバ革は、黒く塗り仕上げられている。それが擦れて塗りが剥げ革の色が顔を出した。「皆様も作業や用途を気にせずにガンガン履いてエイジング、出しましょう。」オーナーのコメントに同感。

履き始めから10ヶ月が経った、7月。この企画も残すところわずか。こんな大事な時に。ブーツを履いて“海水浴”行っちゃいました。「作業や用途を気にせずにガンガン。」良いことです。が、海にはサンダルで行きましょう。(笑) 砂まみれになって、その後自宅にてブラッシング。革自体はやれたりはしていないのですが、トゥの部分が擦れ、エイジング出てます。

最終月
最終月はとにかく手入れはせずに履き込む。結果、擦れまくり。擦れた部分は俗に言う“灰芯”の特性上、灰色に。このまま履くも良し、または細かく手入れをして黒く戻すも良し。この状態からの変化は、その履く人の気持ち次第で変化します。本人のみが出来る“経年変化”を楽しんで下さい。

 スタート時心配していたブラックの色目の味出しを、ブーツオーナーは1年間楽しませてくれました。ハードワークの多かった1年でしたが。(笑)メンテナンスに正解はありません。メンテナンスの方法はいつも同じ必要はありません。ブーツのコンディションによって手順を変えたり組み合わせたりすることで、新にブーツの魅力を発見できることもあります。

 また、最初は純正のスペックで履きこなし、趣味趣向に合わせてカスタムしていくのも楽しみです。

 経年変化を楽しむ。がんばるのではなく、楽しんでください。このレポートは、そんな楽しみの少しでも参考になれば幸いです。